見てはいけない

生田斗真とジャニーズWEST

てなもんや三文オペラ東京公演を2回見た感想

てなもんや三文オペラ

2022年6月18日ソワレ、19日マチネ。

 

この文章は、観劇当日ツイッターに思うがままに下書きをしたものを文章化したものです。

 

次の観劇予定はアパッチ族の地元、大阪。

その前に、私なりに思ったことをまとめておきたいと思いました。

何度も観劇するうちに思うことは移り変わっていくかもしれませんが、

今現在、思うことです。

 


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初めて観劇した回。

このとき、最前列での観劇だったことも大きいと思うのですが、なんとなく自分の中で整理できない、内容に対する感情が振り切らない感じが残ったんですね。

 

(いや生田斗真が目の前にいるという事実以上の衝撃はこの世にないんだけれども)

 

不条理なのか笑えるのか、悲しいのか笑えるのか、なんだか感情の腰の据えどころがないなあと思っていて。

うまく言葉にできないんですが、感情の深みに入り込もうとしても壁を作られる感じ。いまいち入り切れない感じ。

そこがずっと違和感としてありました。

 

それにプラスしてなのか、理由として思ったことなのか、うまく判別ができないのですが、

そのときこれかなと思ったのは、マックの得体の知れなさでした。

ポールには両親がいて、家族背景がわかる。

幼少期から悩んできたこともきちんと説明される。

 

でもマックは何もわからない。

 

あんなにも愛されるのに、無意識に相手を裏切って憎まれるような行動をとる理由が、本当にブラウンとの罪の共有だけなのか。

戦争の前、マックには「おかえり」と言ってくれる家族はいたのか。

どんなお母さんとお父さんだったのか。今はどうなのか。

出自が何もわからないので、どこを起点に今のマックが形作られたのかがわからない足場のなさみたいなものがあって。

それが引っかかってるのかなあと。

 

だってあれほどの人たらしが、いわゆる一般的な「美人」とかいうモテそうな人種ではなく、同性やふくよかさんを選ぶ理由も戦争だけで説明できるものなの?とかも。

 

まあこれは、私が「一般的にはね」に執着してしまうからこそ抱く違和感なのかもしれませんが。

 

いやそれに、もちろん戦争での体験は人生を一変してしまうようなものなんだろうと思う。

それを言いたい作品なのかもしれない。

だけど、そこからのキャッチアップを、マックが自分の中でうまく許せない背景が一体何なのだろうというところが、自分の中でしっくりこなかったのは1つありました。

 

でも。

 

結局は持ってかれるんですよね。

演劇というものは。嗚呼。ちゃんとねじ伏せられました。

 

マックの告白シーン。

若い兵士を殺した罪悪感だけでなく、その先にある国に対しての強い怒りが感じられて、少し足場ができた感じがしました。

マックやこの作品全体が誤魔化して見せないようにしてきた(芝居としてあえて、という意味で)ものの一部がこれかと。

 

怒り?そう、怒りか……

 

でもまだ何か足りない。

何だろうこれは。何で私はこんなに腑に落ちないんだろう。

特に2回目は、ずっと考えながら観ていました。

 

答えはラストシーンにありました。

 

穏やかなポールとルーシーの灯篭流し。そして対照的な空襲。

生々しくて、残虐で、恐ろしい。

そこに現れるマック。灯篭を抱きしめるその表情。

 

それで全てがすとんと落ちたんです。

ああ、これは「悲しみ」の物語だ。

怒りや懺悔じゃない。これは深い悲しみなんだ。

 

そう思ったら、もう涙が止まらなくなって。

どうしようもない感情があふれてきて。

もうダメでした。

 

最後の「ただいま」。

あれは、誰に言ったんだろう。

 

私は、あれは、マックが帰れずにいた、本当は受け止めたかった、愛する人に受け止めてほしかった、自分自身の本当の気持ちに対して言ったんじゃないかと思いました。

 

ああ、そうだよね。これがあなたなんだよね。

 

おかえり。

 

そう、マックに言ってあげたかった。

 

 

…と、ここまできて、マックの出自問題はまだ宙に浮いているわけですが、

そしてそれも気にはなるのですが、

この結論にたどり着いたら、そして生田マックのあの表情を見たら、もうマックの深いところが全部そこにあった感じがして、ある種そのこだわりを手放せた感じがあるんですよね。

 

鄭さん、ご出身も含めて割と怒りとかアグレッシブな感情に重きを置くのではという私自身の先入観があったのも違和感を生み出した原因だったかもしれません。

今はとにかく、この深い感情に触れるところまで連れてきてくれた鄭さんに、素晴らしいものに出会わせてくれてありがとうしかないのですが。

 

うん。

これが私の、現時点でのてなもんや三文オペラの感想です。

本当、ただの偏見ばりばりに入った解釈なので、他の方から見たら泣くポイントおかしいぜよという話かもしれません。

しかも基本自由連想なので文章まとまりなくて、お目汚しすいません。

 

 

 

お詫びにキャストの皆さんをたくさん褒め褒めして終わりたいと思います。

 

生田斗真は唯一無二のマック。この人が「ザ」マック・ザ・ナイフ。オーラも歌も芝居も最強。間の芝居最強。

 

・ウェンティは肌白すぎきれいすぎそのまま嫁行ける。歌声が本当にのびやかで声だけで心地いい。ウエンツ1人で舞台上のむさくるしさ(褒めてます)全部浄化できる。

 

・いっけいさん根岸さん、さすがベテラン。いるだけで成立するのにめちゃめちゃ体張ってる。

 

・福井さん。女装のまま抱いてくれ。

 

・平田さん。かわいい。あんなにかわいいルーシー平田さんしかいない。コッペパン食べさせるのに全く躊躇がない心意気に惚れる。

 

・転球さん。ルーシーとは違う意味でずっとかわいい。ずっといじらしい。ずっと仕掛けてる健気さが可愛すぎる。ピーチャムにほだされてしまうような人間らしさもいい。

 

・アンサンブルさん、どの役も愛らしくて素敵です。

 

 

以上です。

読んでくださってありがとうございました。

ここまでたどり着いてくださった方に塩むすび100年分あげたいです。

 

 

それでは私は大阪へ。

カンパニーが最後まで無事走り切れることを願って。